4次元GISを利用した札幌市街地の変遷の学習(立命館慶祥高等学校)

 

1.      科目および単元

地理B 地理情報と地図

2.      授業者 伊藤 智章

3.      対象生徒 高校2年生(3クラス)

4.      学習のねらい

(ア)  地形図の読図の総仕上げとして、地域の変遷を地形的、人文的な視野から捉え、具体的な数値や画像表現を通して説得力ある説明が出来る力をつける。

5.      指導の経過

(ア)  操作の基本(3時間)

(イ) 課題レポートの作成(冬期休暇)

 

学習内容

生徒の活動

指導上の留意点

 

 

基本的な操作の方法(45分)

ポイントデータの打ち方

線データの記入

面的の塗り方

生徒が誰でもわかる地域(学校周辺など)にスクロールさせた上で作業を行うが、生徒の得手不得手を十分に把握する。

 

事例研究を通した操作法の習得

変化が著しい地域(開拓によって農地化された地域、宅地化が進んだ地域など)を取り上げ、面的なデータの時間的変遷を学ぶ

地形学習で得た知識が発揮できる地域を精選する(札幌は扇状地地形であることを重点的に見る)

 

フリーテーマで土地利用の変遷を分析する

変化が激しい地域を選び、作業を通じて変化の過程とその要因について考察する。

変化の事実だけでなく、その要因を深く考察できているかを確認する。

 

 

6.      指導にあたっての着眼点と感想

(ア)  地形学習を行った上での導入の為、地形図の取り扱いについては中学生に比べてスムーズに導入が可能である。また、地図を使った分析力、思考力のトレーニングに適し、意欲的に時間をかけて課題に取り組んでいる生徒が多い。

(イ)  地域の変遷を分析する際に、最も古い地形図と、最も新しい地形図のみを利用して変遷を述べる生徒が多い。連続的な変化の過程を述べることが出来るように、例示や、一斉作業の課題を工夫したい。

(ウ)  本ソフトを利用することにより、生徒が地形図をじっくりと眺め、考える時間が飛躍的に伸びた。授業の単元として短時間学習し、後は受験問題演習の際のテクニック程度にしか地形図を捉えていない生徒にとって、地域の変化をじっくりと考えるトレーニングを施すことが可能になった。

(エ)  生徒の推測に対してアドバイスを与え、更なる分析を求める為に、指導教員は地形的な知識だけでなく、歴史的な知識が重要になる。特に札幌は、開拓使以来の歴史に着目して図化が可能であり、歴史分野との連携が期待される。

(オ)  生徒の通学圏が広範囲に及ぶ為、(寮生・下宿生も多い)学校周辺や札幌に対して土地感の薄い生徒が、困難を感じる場面があった。一方で、自分のよく知っている地域を使って作業している生徒は、感覚的知識に頼った報告が多く、地形図から択られる情報を基に分析が出来ていない。

(カ)  それぞれが土地感がある地図を用意してまず実習した上で、誰も土地感を持たないが、変化が著しい地域の地図を使った上で、分析技能を試す課題を課す事も一つの方法であると感じた。

(キ)  地図情報の単元だけでなく、関連する様々な単元において地形図の実習を行う必要がある。作業が容易なため、地形、集落立地、集落形状、商圏、居住地域など、あらゆる単元で常に地形図を使って実践することが期待される。

(ク)  作業用地図をいかに容易に手に入れ、取り込めるかが課題である。地図データの低価格化、インターネットでの配信などを強く要望したい。

(ケ)  本ソフトがインストールされているパソコン室が限られているため、生徒が好きな時間に自由に作業をする環境を整えることが出来なかった。今後、図書室など、生徒が自由に使えるスペースのパソコンに取りいれ、地理以外の教科との連携を図り、自由に使える環境を整えて行けば、更に発展的な利用法が期待される。

(コ)  本校では、2002年度に大学と連携したGIS教育の指導法に着手するが、その上での基幹的なソフトとして、本ソフトを利用し、更なる有効な利用の検討に努めていきたい。

 


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