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Q6:空中写真の実体視とは?

実体視してみよう!実体視用空中写真サンプルページへ


A:地図作成用に撮影された空中写真は、一つのコース内の隣り合う写真の画像の互いに重複する部分を使って、ある特別な見方をすると、画像が立体的に見えます。これを、実体視又は立体視と言います。


写真測量は、この原理を応用したもので、実体視することにより視野に入った各事物の水平位置関係や比高等を観察し、写真上で計測して地図化していくことができます。また、土地の地理的な調査、例えば地形・地質、土地利用、植生(土地被覆)、地辷り・崩壊・高潮・洪水等に係わる災害地形等の調査の際は空中写真の実体視が必要欠かすことの出来ない技法になります。このように空中写真を利用して土地の地理的な違い、差等を読み取っていく作業を「空中写真判読」と呼びます。


実体視の原理は、左の眼が左に置いた画像だけを、右の眼が右に置いた画像だけを見ると、撮影したとき立体的であった画像の歪みが左の画像と右の画像で違っているため、視差の差(視差差)と位置の違いを視神経が感じて、立体感を生じるのです。


レンズ等を使わない「肉眼実体視」の場合は、人間の眼基線間隔(左の眼と右の眼の間隔)が、成人で5.5~7.0cm程度ですから、二つの画像の間隔はこれと同じ程度以下とすると、実体視が比較的容易です。実体視を初めて行う方は、二つの画像の間だに板紙等を立てて練習すると、画像が容易に一つの立体像になります。市販されている簡易実体鏡や反射式実体鏡を使用すると、画像間隔を広くでき、また画像が拡大されて見えますから判読はより細密にできます。


空中写真を実体視するとき、大事なことは写真のそれぞれの基線(相互の写真の主点と隣の主点を移写してその2点を結んだ線)がほぼ一直線になるよう、また眼基線の方向とも一致するように2枚の写真を配置することです。相互の基線が平行になっていたり、交差するような配置では実体像になりません。実体視をするために、2枚の空中写真を正しい位置に置くことを、「空中写真の標定」あるいは「空中写真を標定する」と言います。



空中写真を実体視すると、高空から現地を見るよりも、はるかに起伏が大きく感じられます。これを空中写真の「過高感」(Vertical exaggeration)といいます。空中写真は、人間の眼に相当するのが、カメラのレンズです。空中写真を連続して撮影するときの撮影間隔(W)が人間の両眼の間隔(w)に相当します。また、撮影高度(H)が明視の距離(h、約25cm)に相当します。この両者の比をみても数倍の過高感(Ve=hW/wH)が生じることが分かります。

Q7:空中写真の標定図とはどのようなものか?

空中写真の標定図というのは、撮影した空中写真の撮影地点(撮影主点)、撮影コース番号、写真番号等を地図(通常は5万分1地形図)上に表示したもので、撮影地区整理番号、撮影地区名、撮影記録等も地形図上の図郭上部に添えられています。この標定図は必要な空中写真を特定するためには、無くてはならない資料です。
標定図は、1撮影計画毎に該当する5万分1地形図1枚が充てられていて、過去の撮影結果は地形図の図郭毎に整理されていますから、希望する地区が5万分1地形図の何という図に該当するかを予め知っておくと、空中写真の注文には便利です。
一般財団法人日本地図センターの両事務所(東京及びつくば)に備えられていますが、国土地理院の各事務所においても備えられていて、閲覧が可能です。


空中写真の標定図例


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