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Q1:地球の形状は?

A1:地球は自ら回転(自転と言う)しながら、太陽の周りを廻って(公転と言う)います。地球が南北に扁平な回転楕円体に近い形をしていることは古くから知られていました。扁平である大きな原因として、自転、公転の際生じる遠心力が作用したとされています。


地球の形状にできるだけ合う回転楕円体として、長半径、扁平率等を定めたものを地球楕円体と言い、地球楕円体の形状が国、地域等の測量や地図作りの拠りどころとなります。


地球が回転楕円体に近い形をしていると言いましたが、近年の衛星測地技術の進歩によって地球のジオイド面(平均海面が地球の全海域を占めたと想定して、潮汐、海流及び波がない静水面を仮定し、また陸部には細い溝を作って海水を導入したときに作られる面)は,従来考えられていた回転楕円面に対し、北極付近で約15m高く、北半球の中緯度で約7.5m低く、南半球の中緯度で約7.5m高く、南極付近で約15m低いことが明らかになっています。誇張して言えば、地球は西洋梨のような形をしているのです。

Q2:地球楕円体とは?

A:地球の形状、大きさについては、古くから多くの人や機関・団体によって測定計算されていますが、我国では明治十年代から、ベッセルが1841年に定めた数値を採用していました。しかし、近年の測地技術の進歩により地球の形状がより正確に解明されつつあります。また世界各国がそれぞれの地球楕円体を使用していたのでは測量成果やそれを使用して作成した地図が各国間で整合が取れなくて不便なので、我国では測量法を改正し2002年4月1日から地球楕円体の形状として、下に示す数字が使われることになりました。この形状は、一般にGRS 80と呼ばれている地球楕円体です。GRSはGeodetic Reference System の略で、日本語では「測地基準系1980」と呼んでいます。

地球楕円体
旧測量法による 新測量法 同法令による
ベッセルの地球楕円体 ( GRS 80地球楕円体)
長半径(a) 6,377,397.15 m 長半径(a) 6,378,137 m
扁平率((a-b)/a)1/299.152 813 扁平率 ((a-b)/a)1/298.257 222 101

長半径、扁平率の二つの関係から導かれる短半径は、ベッセルの地球楕円体は6,356,078.96 m 、新測量法によると 6,356,752.31 mとなります。

Q3:地球上の位置や高さを表すシステムや基準は?

A:地球上のある地点の平面位置は、一般に地理経緯度(測量法等では地理学的経緯度、一般的に単に経緯度と呼ぶことが多い)で表されます。新測量法では、この地理経緯度の基準としてGRS 80地球楕円体と整合するように定義されたITRF 94 座標系を用いることが定められました。この座標系は英語でInternational Terrestria l Reference Frame 1994、日本語では国際地球基準座標系の1994年度版と呼ばれ、地球の重心に原点を置いた3次元直交座標系で、X軸を原点から旧グリニジ天文台を通る子午線と赤道との交点の方向に、Y軸は原点においてX軸に対し東に90°の方向に、Z軸は原点より地軸の北の方向にとって、空間上の位置をX,Y,Zの数字の組み合わせで表現します。経緯度のシステムについては、Q4で詳しく説明します。


平面位置は、また、それぞれの国や地域について独自の基準地(原点と呼ぶ)を設定して、その点を基準とした平面直角座標で表すこともあります。


高さについては、それぞれの国、地域で定めた地の平均海面を基準として、それとの垂直距離で表すのが一般的です。我国を例にとれば、北海道とその周辺の島、本州・四国・九州とそれらに附随する島等は「東京湾の平均海面」が高さの基準になっています。しかしこれらの島から遠く離れていて、渡海水準測量によって結ばれていない北方四島、佐渡・隠岐・対馬、伊豆・小笠原諸島、南西諸島の大部分の島等は、それぞれの適宜の海岸や湾の平均海面が高さの基準になっています。


平均海面は、それぞれの地で多少の高さの違いがあり、世界共通の基準ではありません。この違いが生じる大きな原因は、潮流、海底の地形配置、陸地の分布形状等が相互に影響を与え合うと考えられています。事実、日本各地に設置された験潮場の平均海面の成果と、各地の水準測量の成果を総合して解析した結果、日本海側の海岸の平均海面は、太平洋側の海岸の平均海面に対して25~10cm高いという結果がでています。


測量では、連続する陸地に対し高さの基準を二つ設けることは普通はしません。測量する際も、地図を利用するときも混乱してしまうからです。日本海側の地域も東京湾の平均海面が高さの基準になっているのはこのような理由からです。

Q4:経緯度とは?

A:地球楕円体の地軸が地球楕円面と交わる北及び南の点を北極及び南極と言い、地軸を含む平面(子午面)が地球楕円面と交わる線を子午線(地図上では経線)と言います。また、地軸の中心で地軸に直角に交わる平面(赤道面)が地球楕円面と交わる線を赤道と言い、赤道面に平行な平面が地球楕円面と交わる線を平行圏(地図上では緯線)と言います。


なお、緯度、経度は一般に度分秒で表します。全円で360度、1象限で90度、1度は60分、1分は60秒と60進法ですが、秒以下は単位がなく秒の小数又は分数の形の10進法で表します。表記の際は、度を「 °」、分を「′」、秒を「″」で表すことができ、それぞれの数字の右上肩にこれらの記号を表示します。


経度とは、英国の旧グリニジ天文台を通る子午線を本初子午線とし、本初子午面と地球上の任意の点を通る子午面とのなす角度を言います。本初子午線を経度0°、その東側を東経、西側を西経と呼び、180°は経度180°と呼びます。


経度は経度の知られている点と他の任意の地点間の時間差を測って計算によって求めることができます。24時間で360°ですから、時間の1秒の違いは、経度差では15″になります。経度の測定には正確な時間の測定が絶対に必要な条件になります。


緯度とは、ある地点における回転楕円面に接する平面と地軸との成す角を言います。北極星は地軸の北の方向に近いところ(2003年の最大離角43~44′前後)にありますから、北半球では北極星の高度角を測ればその地点のおおよその緯度を知ることができます。


緯度の定義として「その点の地球楕円面に対する垂線が赤道面と成す角」「その点の地球楕円面に対する鉛直線と地軸との成す角の余角」は、表現は違いますがいずれも同じ意味になります。しかし、「地球楕円面に対する」が抜けると、天文緯度を意味してしまいますので、厳密には垂直線(鉛直線)偏差の分だけ違った緯度となります。


緯度(地理緯度)は測地緯度と呼ぶこともあります。なお、一般には使われませんが、測地測量の専門的な術語に地心緯度(地心から見て地軸となす角の余角)、天文緯度(鉛直線と地軸に平行な直線のなす角の余角)があります。いずれも地理的緯度とは少し違います。同じ地点でそれらの値を較べると、地心緯度は0度及び90度以外については地理緯度より僅かに小さくなります。天文緯度は、地理緯度とは鉛直線偏差の分だけ異なります。


国土地理院の測地成果表のなかにB、Lと表示した欄がありますが、これはドイツ語の頭文字で、BはBreite(緯度)、LはLange(経度)の意味です。

緯度・経度

Q5:地形図に表示される標高や等高線等の高さの基準はどこか?

A:地形図の基準点の標高数値や、等高線の数値等の高さの基準は、平均海面が基準となります。地形図の多くの図葉が「高さの基準は東京湾の平均海面」と表示されていますが、別の地点の平均海面が高さの基準になっている図葉もあります。高さの基準を別の地点に移すためには、水準測量によって行うのですが、2地点間で水準測量のできないほど離れた水面で分けられた地区などでは、高さの基準を移すことができません。そのため、現在「東京湾の平均海面」が適用されている地域は北海道とその周辺の島、本州・四国・九州とそれらに附属する島等です。


北方四島、佐渡・隠岐・対馬、伊豆・小笠原諸島、南西諸島の大部分の島等は、それぞれ適宜の海岸や湾の平均海面が高さの基準になっています。例えば、三宅島では三宅島錆ヶ浜、小笠原の父島は父島二見港、隠岐諸島は西郷湾、対馬は浅茅湾、沖縄島は那覇港のそれぞれの平均海面が基準面となっています。


「平均海面」という言葉は、昭和24(1949)年の旧測量法成立以来の用語で、これ以前に作られた地形図では「中等潮位」と言う用語を使っていました。また、験潮記録等の明治期の資料では「中等海水面」の用語も見られます。意味はいずれも同じです。


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